急に何かを考え始めた蘭君が、私の手を引いて歩き出す。
数分経って、連れてこられた場所は
子供のいない寂しい夜の公園だった。
「...なんで公園?」
「んっ」
販売機と販売機に挟まれている茶色のベンチに腰を下ろす蘭君が、ポンポンと隣を叩く。
頭にはてなマークを何個も浮かばせながら私も座ると。
突然、私の太ももに頭を乗せてくる蘭君。
こっ...これって、膝枕!!?
「蘭君!寝るなら家に帰って寝なよ」
「彩羽、お前いい匂いがする」
「人の話聞いてる!?」
「あー落ち着く落ち着く」
「〜〜〜っ!?」
こっちは蘭君の髪の毛が太ももをくすぐって、恥ずかしいし今にも爆発してしまいそうなのに。
この男...あの日からめちゃくちゃ甘えてくる。
いや、私は嬉しいよ?
好きな人に甘えられて。
でも...でもさ。
じゃあなんであの時振ったの?
意味わかんないよ蘭君
振った女に甘えるなんて...。
...ううん、本当は知ってるんだ。
蘭君、今まで誰にも甘えたことがないから
誰かに甘えてみたかったんだよね?
トラウマは、そう簡単には消えてくれない。
どう頑張ったって私は蘭君のお母さんにはなれないけど。
でも
全部受け止める覚悟で彼の隣にいるから。
女として意識してなんて、ワガママは...言わないよ。


