「彩羽ちゃん、着いたよ」




気づかないうちに車の中で少しだけ眠っていたみたい。

歩夢さんに肩を揺らされて目を覚ます。


目を擦りながら車から出ると、連れてこられた場所は紫蓮想の倉庫。




「歩夢さん」


「大丈夫、今日は蘭も他の奴らもここには来ないから。
もし蘭に怒られたら俺が責任取るから、安心して入ってよ。」


「...はい」




きっと、ここじゃなきゃ話せない内容なんだろう。


歩夢さんの言うことを素直に聞いて、倉庫の中に入ると。



「やっと来たか」



未知さんがソファに座りながらお出迎え。


...未知さんも居るんだ


てか、いつもチャラチャラしてるくせに今日はなんだか引き締まった顔つき。



私はペコリと未知さんに頭を下げて、ダンボールで作られたソファに腰を下ろした。





「...この子に話すのか?」


未知さんが歩夢さんにそう言うと、歩夢さんは静かに頷いて私の隣に腰を下ろした。