「お前、家はどこだ?」
ため息混じりにそう聞かれ。
恐る恐る「...××市です」と答えたら、やっぱり呆れた顔をされた。
「くそ遠いじゃねーか...。
なんでこんな所にいるんだお前」
「だって...連れてこられたから...」
「これだからガキは嫌いなんだ。
知らねえ奴に知らない場所に連れてこられて、もっと警戒心持てよ。
だからあんなアホみたいなガキに襲われんだ、アホが」
「...(警戒心、持ってたつもりなんだけど)」
私だって、ついて行きたくてついて行った訳じゃないのに。
なんにも知らないくせに、なんて。
反抗的な態度を少しでも表に出しちゃう私は、この人の言う通り、やっぱり子供なんだと思う。
「おい、ついてこい」
「えっ、でも」
「黙れ、知らねえ男に襲われたくなかったら俺についてこい」
今さっきまで"知らねえ男について行くな"的なこと言ってたくせに。
でも、なんとなくだけど。
この人は安全だと、心の底から思ってしまう自分がいるからなんだか怖い。


