「それ...お前一人で持って帰る気か?」
私の両手の自由を奪っている買い物袋を見ながら、蘭君は言う。
「うん!!お母さんに買い物頼まれたから。
私の住んでるアパートの近く、全然お店なくて、ちょっと遠いけど買い物するならここのスーパーが1番近いの」
「女のお前じゃ、それは重すぎるんじゃないか?
貸してみろ」
「ええ!!いいよいいよ...っ、あっ!!」
買い物袋の重さに耐えきれなくなった手が、気づかないうちに痺れていて。
手からーーーズルッと買い物袋が滑って、落としてしまいそうになった
けど。
「な?お前の力だけじゃ無理だろ?」
「...っ」
地面に落ちる前に蘭君がすかさず買い物袋を持ってくれた。
そういうとこ、そういう事、自然に出来ちゃうからカッコイイんだよなあ...この人。
「あっ、ありがとう!!!」
「いい。
お前のアパートまでなら別に疲れねーしな」
「蘭君用事とかないの?」
「紫蓮想の倉庫からの帰り。
春だから、なんかボーッとしちまって暴走する気にもなんねーよ」
「あはは、春ボケ?」
「お前はいつもボケボケだけどな」
「...っ、なにそれ!ひどい!!
私は学校とか家のこととか、やる事が多すぎてボケる暇さえないんですー!!」
「そんな真面目なお嬢さんが、夜遊びなんかするわけねーだろ。ボケ」
「〜〜〜〜っ!!!!」


