意味深に吐いた言葉を残して、丸川さんは赤いヒールをコツコツと踊らせながら屋上から出ていった。
「...」
...一言も...言い返すことができなかった。
この時期の蘭君は危ない?
私最近いつも会ってるけど、そんな風には見えないけど。
やっぱり丸川さん
口から出まかせばっかで
ただ単に蘭君を独占したいだけじゃないか。
ーーーでも、やっぱり悔しい。
私の知らない蘭君を見てきたあの人が羨ましい。
私が丸川さんより先に蘭君のこと見つけていたら。
丸川さんにも誰にも、文句なんか言わせないのに。
「...なんか、めんどくさいよ...恋って」
まだ丸川さんの香水の匂いが残る屋上で1人
太陽の光に目を細めながらため息を吐いて、憂鬱な恋の魔法が解けないまま私も屋上から出た。


