茶化しで済むなら、どれだけよかっただろう。
蘭君のことずっと想ってる...
それだけは、出会った頃から変わらない。
春の月光が、私と蘭君だけを特別に照らすから、まるでスポットライトの中に閉じ込められたみたいだ。
ずっと二人っきりのこの瞬間が続けばいいのに。
そんなの無理だと分かってるから、現実なんて大っ嫌い。
「...そろそろ行く」
「あっ、うん。」
ーーーブオンと、活きがいいバイクのエンジン音は蘭君とのサヨナラの合図。
バイクに跨って、走り出そうとしたその時
「...っ...、蘭君!!」
ーーーキキィ!!と気持ちの悪い急ブレーキの音。
止めたのは、わたし。
無意識に蘭君の腕を掴んでいたのも私。
「あっぶねーな...っ、一歩間違えたら事故ってたぞ?」
「そんなこと、どうでもいい」
「どーでもいいって...お前は俺を犯罪者にする気か?」
「...」


