その後、未知さんはその場に居た下っ端全員に
「蘭とあの子付き合ってないんだって〜、俺の勘違いだったわ〜、めんごめんご」
なんて。
なんだか納得いかない弁解の仕方だったけど。
まあ...許すしかないじゃんか、こんなの。
「...蘭君ごめんね。
でもさ、私と蘭君が付き合ってるだなんてそんな嘘の噂、蘭君に失礼かなっと思って...」
「未知は人をからかうのが好きだからな。
ネタが出来て楽しんでたんだろう」
もう遅いからと、私の住んでるアパートまでバイクで送ってくれた蘭君。
古いアパートの下で、停めたバイクにもたれかかりながらタバコを吸って
白い煙と一緒にストレスを吐いていた。
「ほんっと未知さんて最低最悪!!」
「...あいつは確かに第一印象は悪い男だが、良い奴だぞ?」
「ど・こ・が!!?」
「簡単に心を許さないところとか、な?」
「...あんなにチャラいのに?」
「確かにあいつはチャラいが。
俺の隣にいたお前を、試したんだろう。」
「試すって...なんでそんなこと」
「俺にとって有害な人物かどうか、ああいうやり方でしか見極められないんだよ、あいつは」
「...なにそれ、意味わかんない」
「お前が倉庫に殴り込みに来たの、嬉しかったと思うぞ?
自分で言うのもあれだが、俺らと付き合いたがってる女なんかたくさんいるからな。
その中には他の族のスパイだっているわけだし」
「...殴り込みだなんて、人聞きの悪い...」
「未知が他のメンバーと女の色恋沙汰を流して、俺らに気に入られてると勘違いし始める女は多かったけど、言い返しに来たのはお前が初めてだ。」
「...」
「嘘は嘘だって訂正しにくるあたり、未知からしたら合格だろうな」
「...」
「なっ?良い奴だろ、あいつ。
俺の隣に悪い奴がつかないように、ちゃんと見極めてんだよ」


