【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。







これ以上、噂が広まっても困るから

未知さんにガツンと言ってやろうと、歩夢さんに車を出してもらって一緒に紫蓮想の倉庫にやってきた。


ーーーけど。



「おお!!蘭の彼女じゃん〜、やっぴー!!」



ダブルピースしながら、私の肩を何度も叩く未知さんは、相変わらずチャラい。



わたし...この人嫌いだ。

絶対性格合いそうにないもん。




「あの...!
未知さん私蘭君とは付き合ってな...っ」


「おーい皆!!総長の女が倉庫に顔出しに来たぞ〜!!
お・も・て・な・し、しろ〜」



さすが幹部の1人だけあって、未知さんの言葉でその場にいた下っ端全員が動く。



私は、虹色の髪色にナイフのように鋭い切れ目をした男に肩を掴まれ、近くにあったダンボールで出来たソファに座らされた。




「へぇ〜、総長の趣味ってこんな感じの子なんだ」


「なんか総長っぽくないよなー」


「もうちょっと美人系かと思ってたぜ」




不良は遠慮を知らない。


次々と私に浴びせる言葉の数々は、聞いていて辛いものばかりだけど。


この人たち、全然悪気はないみたいだけど、その方が余計傷つくよ...。




未知さんが手にぶら下げていた袋に入ってるお菓子を、私の手の中にバラまいた。