「何があったかは知らないが、もし、自分だけじゃ身を守れないことなら俺に言え」
「らんくん...」
「お前は唯一、俺に真正面から向かってきた女だからな...それなりに気を許してる」
「...ほんと?
私のこと、友達だって思ってくれるの?」
「まあ...それなりにな」
「嬉しい。ありがとう蘭君」
「...お礼を言われるようなことはしてないが...」
「ううん...嬉しいの。」
これ以上にないくらい、嬉しいの。
だから私...
「頑張って、取り返してくるね!!!!」
「あ?...ああ。
何かは知らんが、頑張ってこい」
「うん...っ!」
蘭君が唯一気を許した女が、信じられないことに、この私で。
追いかけても追いかけても、手が届かないくらい、彼は遠かった。
でも。
今やっと、報われたような気がした。
彼から目を離さないでよかった。
縮まった距離は、これからもきっと縮まっていくんだ。
だから私、この先何があっても蘭君を諦めないよ。
だって...諦めたら、結局結果はついてこないから。
なら、嫌われるまで...ううん、嫌われても追いかける。
それが、私の愛し方だから。


