それにしても、貰ったものを他の人にあげるなんて。
歩夢さんには悪いことしちゃったなー...。
お店のドアの前で立ち止まり、他のお客さんの迷惑だと分かっていても
この場から離れられない。
ていうか、もうちょっと蘭君と話してたいの。
真っ白な息を吐いて、お店の外壁にもたれたまま、腰を下ろす。
「ねえ、蘭君」
「...なんだ?」
「丸川梓奈って...知ってる?」
「まるかわ、あずな?誰だそれは」
「......ううん、なんでもない」
なんだ...知らないんだ。
それじゃあ丸川さんの一方的な片想いなんだ...。
私と一緒じゃん。
でも私は...あの人みたいに汚い手は使わないし
あの人みたいに...歪な愛を蘭君に向けている訳でもない。
自分の愛し方に自信を持とう。
だから、大丈夫
大丈夫だよ、わたし。
そろそろ行かなきゃ、あの人にまた意地悪されちゃう。


