こうなったら言いたいこと全部ぶちまけてやろうと思った。
だけど、やっぱり。
蘭君の目を見たら、言えない...
だって蘭君かっこいいんだもん、ずるいよ。
「おい、お前いつまでそうやって探してる気だよ」
呆れた蘭君の声が、妙に熱さを込めて耳の中に入ってくる。
川の中に入って、数分が経つ。
寒いという感覚さえなくなって、手が真っ赤になっていた。
「見つかるまで、探す...から」
「見つかるわけねーだろ。
川の流れも早いんだ、いい加減上がれ」
「でも...っ!」
「"でも"じゃねーだろ。
バカかお前」
呆れた蘭君が、どんどん私との距離を縮めて。
川と地面の境界線を軽々と破る。
「らっ...蘭君!!
蘭君まで川に入ることないじゃん!!」
「お前だって入ってんだろ...どの口が言う」
「でも蘭君風邪引いちゃうよ!!」
「うるせーよ、黙れ」


