そう思った瞬間から、私はいつの間にか、寒さも気にせず川に飛び込んでいた。
制服が凍えそうな勢いで濡れる。
誰も知らない...私が、私だけが知ってる。
語られてない蘭の痛みを分かち合うために。飛び込んでしまったんだ。
「...っ...。
なにしてんだお前」
「...探すの」
「...はあ?」
「写真、探すの!!!!!!」
全部、やけくそだった。
なんにも言わないくせに、1人で勝手に怒って。
一丁前に憎まれ口を叩くくせに、実はかなり心配性で。
ほんとはずっと知ってたよ、蘭君が優しいってことも
蘭君が不器用ってことも
蘭君が...なにかに怯えてるってことも。
知ってても踏み込めるわけないじゃん...
だって私達の関係って、友達にすらなってないんだもん。
好きな人とどんな関係か分からないなんて
それこそ辛いって分かってよ、バカ。
「鈍感」
「あ?」
「無愛想」
「...」
「最低、意地悪、ツンデレ」
「...お前喧嘩売ってんのか?」


