結局大好物の唐揚げは光花に取られちゃったけど
光花のおかげで元気といつもの自分を取り戻せたから唐揚げ2個なんて安い安い。
少しだけ勇気を蓄える必要があったから、この2日間は蘭君に会うための覚悟を決めていた。
ーーーそして。
「......」
来ちゃった。
息を呑んで改めて見ると、蘭君率いる紫蓮想の倉庫は大きすぎて不気味だ...。
えーっと...
倉庫の前まで来たはいいけど、どうやって蘭君呼び出そう?
いきなり倉庫の中に入っていって、紫蓮想の人達に怪しい人物だと誤解されたらめんどうだし...。
後先のことなんか考えてる暇さえなかったから
早くも展開に詰まっていると。
「あれ...?彩羽ちゃん?」
倉庫の裏からひょっこり顔を出して現れたのは、少し派手な私服姿の歩夢さんだった。


