【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。








蘭君のことを考えれば考えるほど、あっという間に月日は流れていき。



いつの間にか、首元にはマフラーが欠かせない季節になっていた。



あの日歩夢さんに、蘭君に渡してと頼まれた写真は、まだ私の手元にある。



そう、私の手元に。



まだ渡せていない...何ヶ月経っても、彼に。



会う自信がなかったんだ。




勇気が出ないのはいつものこと。


好きだから。好きすぎて。



彼を怒らせてしまった自分と、彼のすべてを受け入れられなかった自分に未だに罪悪感を感じてるせいで


ーーーすべてが上手くいかないんだ。




前みたいに能天気に、笑って蘭君に話しかけたら
蘭君も笑ってくれる?



もし私が会ったあの日から、ずっと蘭君だけを見つめてるって言ったら、どういう反応をするのかな?



顔も声も、もう何ヶ月も聞いてないのに愛しさが募って。



彼を求める日々が、きっとこれからも続いていく。



嫌だな...


こんなに想ってしまうなんて、自分がどれだけ蘭君のことが好きか、嫌でも分かっちゃうんだもん。




ねえ蘭君。



あの日、蘭君が少しだけ切なそうな顔を見せたように

私だって辛いんだよ...?



蘭君が私を苦しめてるんだから...

蘭君から謝りに来てくれたっていいじゃんか。