【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。






近所迷惑も考えず、大声で叫びながら脱衣場から飛び出した。



あんなからかいかたって...

最低

ひどい

蘭君のバカッッッ!!



お風呂場の方から聞こえてくる豪快な笑いに、私の怒りと羞恥心は今にも爆発しそうだった。




はあー...


1日目でこれだよ...蘭君の腕が治るまで私の体力持つかな...?


でも、蘭君ってば意地悪だ。



私に帰ってほしくて、さっきから嫌がらせばっかり。



「おい」


「うええ!!?」


お風呂から上がったばっかりの色っぽい蘭君が
いきなり後ろから現れたせいで、変な声で驚いちゃった。



驚きついでに思わずソファに添えられているクッションを取って、蘭君の顔面目掛けて投げてしまった...。



ーーーが。



ヒョイっと簡単に避けられた。


それはそれで、なんだか悔しい...。





「んだお前...なに怒ってんだよ?」


「おっ...怒るに決まってるでしょ!!
あんな最低なからかい方...」



嫌でも意識しちゃうじゃん。


だって私達、この後もずっと二人っきりなんだよ?



そんな時にあんなからかい方されたら...


私...蘭君のお世話どころじゃなくなっちゃうよ...。