シアンが見つめる先をアメリアも見つめると、そこには着飾ったミアが客の注目を集めて夜会の開会を宣言しているところだった。
いよいよ、夜会が始まる。
アメリアは思わず唾を飲み込んだ。
「今宵は我がキャンベル邸へようこそおいでくださいました。どうぞ心ゆくまでお楽しみくださいませ」
ミアが微笑んで挨拶をすると、わあっと歓声が沸き起こった。
それからゆったりした音楽が流れてきて、いつの間にかダンスが始まった。
着飾った美しいご令嬢と若いご子息が手を取り合ってワルツを踊る。
優雅なその光景に、アメリアは目を奪われていた。
すると頬を染めたご令嬢方が駆け寄ってきて、アメリアのとなりのシアンに声をかける。
「シアン様、踊ってくださいませんか?」
シアンは夜会を好まないため、殆ど出席することはない。
そのためこの場にシアンがいることに皆が驚き、この機を逃すわけにはいかないと目を光らせているのだ。
うら若きご令嬢方に懇願されたシアンはちらりとアメリアを見たが、それからは完璧な作り笑顔を令嬢方に向ける。
「申し訳ありませんが、連れがいますので」
シアンのそんな断りに、令嬢達はアメリアを鋭い目で見つめて踵を返した。
「敵が増えていく気がしますわ」
「まったくその通りですね」
「シアン様のせいですよ」
そんな話をしていると、「よう、シアン」と今度は赤髪の男性が話しかけてきた。
「これは、グレンさん」
「珍しいな、お前が夜会にいるなんて」
いよいよ、夜会が始まる。
アメリアは思わず唾を飲み込んだ。
「今宵は我がキャンベル邸へようこそおいでくださいました。どうぞ心ゆくまでお楽しみくださいませ」
ミアが微笑んで挨拶をすると、わあっと歓声が沸き起こった。
それからゆったりした音楽が流れてきて、いつの間にかダンスが始まった。
着飾った美しいご令嬢と若いご子息が手を取り合ってワルツを踊る。
優雅なその光景に、アメリアは目を奪われていた。
すると頬を染めたご令嬢方が駆け寄ってきて、アメリアのとなりのシアンに声をかける。
「シアン様、踊ってくださいませんか?」
シアンは夜会を好まないため、殆ど出席することはない。
そのためこの場にシアンがいることに皆が驚き、この機を逃すわけにはいかないと目を光らせているのだ。
うら若きご令嬢方に懇願されたシアンはちらりとアメリアを見たが、それからは完璧な作り笑顔を令嬢方に向ける。
「申し訳ありませんが、連れがいますので」
シアンのそんな断りに、令嬢達はアメリアを鋭い目で見つめて踵を返した。
「敵が増えていく気がしますわ」
「まったくその通りですね」
「シアン様のせいですよ」
そんな話をしていると、「よう、シアン」と今度は赤髪の男性が話しかけてきた。
「これは、グレンさん」
「珍しいな、お前が夜会にいるなんて」


