剣を受けたフォルストの役人は、シアンの攻撃を何とか受け止める。
剣のぶつかり合う音を聞きながら、アメリアはシアンのことをずっと見ていた。
思慮深いシアンは様々な事柄を多方面から考えることができる。
それを国王陛下も知っているからこそ、フォルストに関する調査をシアンがいる青の騎士団に託したのだろう。
けれど今は何も考えられていない。
そこまでの余裕がない。
「シアン様、やめてください、これ以上は!」
しかしアメリアの声もシアンには届かない。
どうしたらシアンを正気に戻せるだろうとアメリアが必死に考えていると、扉の所にまた別の男性が現れた。
濃い藍色の髪の毛の、気品漂う男性だ。どこか憂いているような悲しそうな瞳にアメリアは目を離せなかった。
男性はアメリアに気付いたのか微かに微笑むと、こう言った。
「やめてくれないか」
その声で戦っていた二人の動きがぴたりと止まった。
「陛下…!」
フォルストの役人のその言葉に、シアンはぎろりとその男性を睨みつける。
「フォルスト国王アルベルト様…」
低いシアンの言葉に、フォルスト国王は「そうだ」と笑った。
さらに睨みつけるシアンに、国王の周りにいる護衛は警戒を強めるが、国王は「いい」と言うだけだった。
「すまなかった、手荒な真似をした。しかし私達は彼女を傷つけるつもりは一切なかった」
「…傷つけるつもりはなかった?あれだけの傷を負わしておいてよく言いますね」
「貴様!」
シアンの言葉に国王の周りの護衛達は神経をとがらせる。
剣のぶつかり合う音を聞きながら、アメリアはシアンのことをずっと見ていた。
思慮深いシアンは様々な事柄を多方面から考えることができる。
それを国王陛下も知っているからこそ、フォルストに関する調査をシアンがいる青の騎士団に託したのだろう。
けれど今は何も考えられていない。
そこまでの余裕がない。
「シアン様、やめてください、これ以上は!」
しかしアメリアの声もシアンには届かない。
どうしたらシアンを正気に戻せるだろうとアメリアが必死に考えていると、扉の所にまた別の男性が現れた。
濃い藍色の髪の毛の、気品漂う男性だ。どこか憂いているような悲しそうな瞳にアメリアは目を離せなかった。
男性はアメリアに気付いたのか微かに微笑むと、こう言った。
「やめてくれないか」
その声で戦っていた二人の動きがぴたりと止まった。
「陛下…!」
フォルストの役人のその言葉に、シアンはぎろりとその男性を睨みつける。
「フォルスト国王アルベルト様…」
低いシアンの言葉に、フォルスト国王は「そうだ」と笑った。
さらに睨みつけるシアンに、国王の周りにいる護衛は警戒を強めるが、国王は「いい」と言うだけだった。
「すまなかった、手荒な真似をした。しかし私達は彼女を傷つけるつもりは一切なかった」
「…傷つけるつもりはなかった?あれだけの傷を負わしておいてよく言いますね」
「貴様!」
シアンの言葉に国王の周りの護衛達は神経をとがらせる。


