あれから3ヶ月がたち

心配していた1年生達も

段々部活の雰囲気に馴染んできた

この時期から

先生の肩にヤケに力が入る

吹奏楽部の夏の甲子園

そう

コンクールが近づいてきたのだ

コンクールでは

いくつかの曲の中から選ぶ「課題曲」と

各校で決める「自由曲」の2曲を演奏する

「課題曲」は

主に出来ていないところ探しだと

先生は熱く語った

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異常気象で

35度を余裕で超えるこの暑さ中

「各教室でクーラーをつけると、莫大なお金がかかるから」

という謎の理由で

クーラーをつけず

汗だくになりながら練習をした

この辛さはきっと

クーラーの効いた職員室で

珈琲を飲む先生には

分からないのだろう

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合奏が始まった

コンクールまであと4日!!

数字の部分だけ消して

使われてきたのだろう

ビックリマークが消えかかっていた

あと4日しかない

その現実は

私たちの心に火をつける

細かな調整をして

楽譜に書き込む

それの繰り返しだ

合奏の時は

一部屋に50人が集まるから

クーラーがつけられた

あまりに効きすぎている

先生と目があった

ひやりと腕を摩った

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暴風警報が出たらしい

「今日はこれで終わります」

その言葉を待っていました

と言わんばかりに

周りの人の目が輝きを取り戻した