「ほーら、いつまでも寝てるの。
とっとと起きなさい。
もう朝ごはんできてるから。」
僕を起こす彼女の声。
ーーーミリヤ。
よくは知らないが、僕の父方の関係らしく、僕の従兄弟に当たるらしい。
そうは言っても彼女は僕より10個も年上だった。
ほんとに、いつも11時ぴったりに起こしに来るあたり、この人も暇だなぁ・・・。
そんなことを考えながらも僕は身体を起こす。
「おはよう」
僕の頭を撫で、彼女は笑った。
「・・・おはよ」
すると、急にドアが開く音がした。
「・・・イアン・・・」
「お、起きてたか?
おはよう。シャーロット、いつも言ってるだろ、はやく起こしてこないとご飯が冷めるって」
「あら、起こしてはいるわよ?
ねぇ?
貴方が少し寝起きが悪いだけよねぇ〜?」
そう言って、ミリヤは楽しそうに僕の髪をぐしゃぐしゃと撫で回す。
「今日は朝からナシがあるんだぞ〜」
お前は好きか?と僕に問うイアンに、僕はとりこくっと頷いておく。
「・・・・・・」
僕が少しの間黙っていると、ミリヤは僕の顔を覗いてきた。
僕の背中をさすりがなら、「どうしたの?気分悪いの?」と心配した顔を見せる。
「・・・全然
何でもないよ」
すると、僕の返事を聞いた彼女はとても優しそうに笑った。
そもそもミリヤは普段、とてもポーカーフェイス。
滅多に笑わないし、いつも同じ顔をしている。
だから少し怖く見えるのかもしれない。
けど、僕は知ってる。
この人はとても優しい人だと。
「さぁ、朝食にしようか」
イアンはそう言って、僕の目が覚めるように、窓を開けた。
窓からは美しい朝の光が入ってきていた。