わたしと専務のナイショの話

「はーい」
と浅子が先に出てしまう。

 慌てて、のぞみも追いかけた。

 浅子は急いで鍵を開けたようだったが、ドアが開いた瞬間、フリーズしていた。

 京平が浅子に言う。

「お久しぶりです、坂下のお母さんですよね?
 三年C組で担任だった槙(まき)です」

 いや、家庭訪問か……と思いながら、のぞみも固まっていた。

 そうだ。
 面識あるよな、元担任だもんなー、と今更ながらに思う。

 元担任のいきなりの登場に、さすがの浅子もまだ状況についていけてないようだった。