わたしと専務のナイショの話

  



「私は御堂さんです」
「あら、やっぱり専務でしょ」

 なんの話だ、とこぼれ落ちんばかりのたまごが入ったたまごサンドを手にのぞみは固まっていた。

「お昼、外行かない?」
と先輩秘書、永井万美子(ながい まみこ)に素敵に微笑みかけられ、つい、フラッとついてきてしまったのだが――。

 駐車場で、他の部署の子たちと乗り合わせ、サンドイッチが美味しいという店にみんなで行った。

 同期の中径鹿子(なかみち かのこ)も一緒だった。

 人数が多かったので、角の個室に通されたのをいいことに、みんな、職場の男性陣には聞かせられないような話を好き勝手に始める。

 万美子の同期だという白山純子(しらやま じゅんこ)が、
「えーっ? 専務ー?
 いくらイケメンでも、あんなお金持ち、めんどくさそうよ、家が」
と言い、すっかり馴染んで話に入り込んでいる鹿子が、

「そこそこのおうちがいいですよねー」
と身を乗り出し、言っていた。