わたしと専務のナイショの話

「樫山とは同じサークルだが、お世辞にも仲はよくなかったんだ」

 まあ、見るからによくなさそうだったですよね~。

「共通の友人が多いから、なんとなく一緒に居たが、そんなに個人的に話したことはなかったんだが。

 あいつ、物言いが鼻持ちならないしな」

 そっくりですよね~。

「でも、二人だけで、ゆっくり話してみたら、なかなか面白い奴だった」
となにか思い出すように京平は笑った。

 そりゃ、変わっている専務と共通のお友だちが何人もいらっしゃる方なら、やっぱり、変わっていて面白いんじゃないですかね~?
と思ってはいたのだが、口に出したら、無礼討ちにされそうなので、黙っていた。

「今までと違う人間と関わることで、見えてくるものもあるんだな。
 ありがとう、坂下」
となんだかよくわからないが、また礼を言われてしまった。

 のぞみは、
「はあ、では、失礼します……」
とよくわからないまま、よくわからない返事をして出て行こうとしたが、

「待て」
と京平に犬を止めるような勢いで言われてしまう。