わたしと専務のナイショの話

 




「美味かったな。
 すっかり俺の計画は狂ってしまったが」
と店の外で、京平は言う。

 少し冷たい夜風の吹く中。

 いや、私は貴方のその訳のわからない計画が怖いので。

 ぜひ、狂ったまま、実行しないでください、と妙な行動力のある京平を見ながら、のぞみは半笑いで思っていた。

「で、では、ご馳走様でした。
 今度、お礼に奢らせてください」
とのぞみは頭を下げる。

 いつもちょっとしか食べないので、まあ、そのくらいなら、お返しとして相応な金額かと思って回転寿司にしたのに。

 京平の勢いと喜びように乗せられ、結構食べてしまっていた。

 申し訳ないという思いから、つい、そう言うと、
「莫迦か。
 それだと意味がな……」
と言いかけた京平だったが、何故かそこで、言葉を止める。

 こちらを見つめ、少し笑うと、
「いや、そうだな。
 ありがとう。

 奢ってくれ、今度。

 ……珈琲でも」
と言ってきた。

 珈琲か。

 遠慮しているのだろうかな。