わたしと専務のナイショの話

 だが、それにしても、本当に美味しそうな生牡蠣だ。

 もみじおろしとネギも鮮やかで。

 この生牡蠣を見ていると、生牡蠣が苦手なのぞみでも、美味しそうだなと思ってしまう。

 好きな人にはたまらないことだろう。

「回転寿司、最高だなっ。
 あと、呑めたらよかったのに」
と機嫌よく京平は言ってくる。

「じゃあ、置いて帰ったらどうですか? 車。
 私、送ってってあげますよ」
とのぞみが言うと、

「いや、それでは意味がわからんだろう」
と京平は言ってくるのだが。

 いえ、私は、貴方の言ってくることの大半、意味がわかりませんけどね……とのぞみは思っていた。

「そもそも俺の計画では、食事のあとは、俺の車でお前を送っていくはずだったのに。

 なんで、お前、車で来てるんだ」
と京平は、いきなり文句をつけ始める。

 いや、私、毎日、マイカー通勤ですからね……。