わたしと専務のナイショの話

 アジの握りも好きだ。

 あとで骨を唐揚げにしてくれるのだが、そのパリパリとした食感がたまらない。

 それを食べた京平はまた、
「美味いじゃないかっ」
と言った。

「あっ、見ろっ、坂下っ。
 ぷりぷりの生牡蠣が回り始めたぞっ」

 そこらの店のより、つやつやのぷりぷりだぞっ、と京平は、はしゃぐ。

 あの、そこらの店の店主に怒られますよ……とこの人が普段通っているのだろう老舗の寿司屋を思いながら、のぞみは苦笑いした。

 海が近いせいか。
 もともとが普通の寿司屋だったせいか。

 此処の回転寿司はネタが新鮮だ。

 酢飯も美味しい。

 値段を下げるために、ネタも酢飯も小さくなってはいるのだが、それが女性の口のサイズにぴったりで、母や祖母たちもこの店が気に入っている。