わたしと専務のナイショの話

「ま、現状どうかはともかくとして、その意欲だけは買ってやろう」
と言って、祐人は、ぽんぽん、とのぞみの頭を叩いてきた。

 頭を叩くという行為は、される相手によっては、嬉しくないものだが。

 この仕事のできる先輩にされると、ちょっと嬉しい。

 頑張って、此処まで来いよ、と言われているようで――。

「ありがとうございます」
と頭を下げると、祐人は書架を見回し、

「たまには素通りしないで、本でも読んでみるか。

 図書館来るのなんて、大学以来だ。

 社会人になると、忙しくてなかなかな」
と呟いていた。

「御堂さんって、どんな本お読みになるんですか?」
と言いながら、なんとなく、一緒に図書館内を巡る。