わたしと専務のナイショの話

 




 そうだ、図書館に行くんだったな。

 本返さなきゃと思いながら、会社を出たのぞみは、駅に併設されている図書館で本を返し、ブラブラ本を眺めていた。

 まだ京平からの連絡はない。

 たまには違う棚も覗いてみるかーと移動しようとしたとき、向こうから来たスーツつ姿の背の高い男と目が合った。

 御堂祐人だ。

「あれっ? 御堂さん。
 お疲れ様ですー」
と言うと、

「会社じゃないから、そんな改まらなくていい」
と祐人は言ってくる。

「それにしても、奇遇ですね。
 御堂さん、図書館になにしに来られたんですか?」

 会社の人とこんなところで会うのは妙な感じだったので、思わず、そう訊いてしまったが、

「……本借りる以外にあるのか、図書館に来る用事が」
と案の定なことを言われてしまう。