わたしと専務のナイショの話

「ちょっと気になってたんだ。
 あのとき、タイミングが悪くて、お返しできなかったことが。

 っていうか、お前、ホワイトデーが来る前に卒業してたからな」

 高校の卒業式、早いですもんね……。

「今日、お返しになにか奢ってやる。
 なにがいい?」

 なんだか断れない雰囲気になってきたな、と思いながら、
「じゃ、じゃあ、回転寿司で」
と言うと、

「……回転したいのか?」
と問われる。

 京平は回転してないのが食べたかったのだろう。

「回転したいんです……」

 あまり高いものをご馳走になるのも気が引けるし、あとが怖いしな、と思って、のぞみは言った。

 回転寿司だと、だいたい、皿四枚くらいしか食べないし、あとはせいぜいデザートだ。

 高校生が義理で買ったチョコのお返しにしては高いかもしれないが、まあ、三倍返しとも言うくらいだから、そのくらいは許されるだろうと思い、のぞみは了承した。