わたしと専務のナイショの話

 ……え、と固まっていると、

「まあ、今、好きかと問われたら、迷うところだが。

 教師だから言わなかったが、実は、過去、お前を意識したことがないわけでもない」
と京平は言う。

 初耳だ……と思っていると、京平は、
「お前だって、俺にチョコくれたじゃないか」
と言ってきた。

「お前も、少しは俺に気があったんじゃないのか?」

 そう京平は、大きなデスクで手を組み、裁判官のような口調で言ってくる。

 そのうち、木槌でも打ち鳴らすに違いない、とのぞみは思った。

 いや、日本の裁判官は木槌は持ってはいないのだが――。

「あ、あげましたけどっ。
 単に、つられたんです! みんなにっ」
とのぞみは反論する。

 そして、他に若い男の先生が居なかったからですっ、と思っていた。

 それで、みんなで友チョコ買うついでに、他にあげる人も居なかったので、きゃっきゃっと担任の先生宛てのチョコを買ったのだ。

「いや、みんなで一緒に買ったのかもしれないが。
 誰も俺にはくれてないぞ」

「ええっ!?」