それから、二日ほどは静かに時が流れた。
いや、新米秘書としては、なにも静かではなかったのだが。
行事も多いので、毎日がてんてこまいだったが。
祐人たちに、指示された通り、走り回るうちに日々過ぎていき、京平とも事務的な話しかしなかったので。
ああ、やっぱり、あの話はこのままフェイドアウトするんだな。
まあ、物の弾みで結婚するとか、そんな莫迦な話もないよな、と思っていた矢先、専務室を出ようとしたら、
「もう帰るのか?」
とのぞみは京平に訊かれた。
「はい。
なにも急ぎの用がないようでしたら帰りますが。
なにかございますか?」
と訊くと、京平は、
「いや、帰れ」
と言ってくる。
「俺も今日はようやく早く上がれそうだから、帰れ。
出来るだけ早く終わるから、食べずに待ってろよ」
なにが食べたい?
と訊かれた。



