わたしと専務のナイショの話

「えーっ。
 せんせー、モテてたのにっ。

 なんで、坂下っ?

 他にもっといいのが居たじゃん。
 相田とか吉川とか」

 おい、丸田……。

 頑張って立派な教師になってね、と思った心も、今、見事に吹き飛びましたよ、と思ったとき、丸田が叫んだ。

「うそー!
 マジかよっ。

 俺、もう同窓会行かねー!」

「やだーっ。
 せんせー、この人のこと好きだったのー?」
と笑われながら、丸田は彼女らとともに、テニスコートに消えて行った。

 それを見送りながら、京平が鼻で笑って言ってくる。

「お前がいいとか言う、物好きな奴が居たようだぞ」

 いや、貴方もですよ……と思ったとき、京平が校舎の方を見ながら、
「覗いていくか? お前が乗り越えた柵」
と言ってきた。

「結構です……」