わたしと専務のナイショの話

 



 誰かが自分をつついている……。

 目を開けると、服を着たまま、ベッドに倒れて寝ていたのぞみをマジックハンドでつついている京平が見えた。

 のぞみが起きたことに気づいた京平は、マジックハンドを下ろすと、仕事で叱るときのような顔で、
「のぞみ、寝過ごすなと言ったろう」
と言ってくる。

 それは……?
とマジックハンドを見つめると、

「今、手でお前を触ると、襲ってしまいそうだからだ。
 支度をして、すぐに出ろ」
と言って、京平はのぞみに背を向ける。

 なんだかわからないまま、のぞみは京平の後について、家を出た。