わたしと専務のナイショの話

「まさか、俺がもらうことになるとはな」
と京平は感慨深く頷いたあとで、

「だが、心配するな」
とまた心配だらけのところで言ってくる。

「言ったろう。
 お前を引き受けたからには、必ず、お前を幸せにしてみせると」

 だーかーらー、と不満だらけののぞみは京平に向かい言った。

「専務。
 そもそも、幸せって、人にしてもらうものじゃないと思いますっ」

 失礼しますっ、とのぞみは部屋を出て行く。

 だが、勢いよく出てきたものの、つい、閉まった重たい扉を振り返ってしまっていた。

 これで、この話も立ち消えるんだろうな。

 いくら樫山さんに負けたくないと思っていたとしても、反抗的な、元生徒で秘書な私など、めんどくさいと思うに違いない。

 このときは、そう思っていた。