わたしと専務のナイショの話

「さすがですね、専務。
 教師をされていただけのことはある。

 道を踏み外そうとしている人間を説得するのが上手いですね。

 畑違いの仕事についたからと、いろいろとご心配されていたようですが。

 貴方は立派な上司ですよ。

 ちゃんと部下を上手く乗せて、正しい道に導いてくれようとする――」

 あの……。

 その、上手く人を乗せて、導いてくれるはずの人に、私、今、坂下ごときとか言われたんですけど……と思うのぞみを見下ろし、京平は、ぽんぽん、と頭を叩いてきた。

「御堂」
とまだ、やりかけのデスクを見て、京平は言う。

「今日はもういい。
 帰り支度をしろ。

 ちょっと……三人で出かけるか」

 そう京平は言ってきた。