わたしと専務のナイショの話

「いや、なんでもないです……」
と答えながら、のぞみは、でも、変だな、と思っていた。

 すれ違ってはいるのだが、なんだか幸せなすれ違いだ――。

 そんなことを思いながら、タクシーに向かい、二人、夜の街を歩いた。