わたしと専務のナイショの話

 



 のぞみを送っていった京平は、約束通り、日帰りで連れて帰ったことで、信雄にいたく感謝された。

 機嫌良く家に戻った京平は、ベッドに腰掛け、樫山に電話する。

『おう、どうだった? うさぎ島』
と言う樫山に、

「よかったぞ。
 お前たちも行けよ」
と力説したあとで、

「さっきな。
 駅でのぞみが俺に、
『うさぎ、飼いますか?』
 って訊いてきたんだ。

 あの言い方は、絶対、俺との結婚生活を考えての発言だと思うんだよな」
と言うと、樫山は、

『はいはい。
 お幸せで結構なことだね。

 こっちは早苗がマリッジブルーになって大変だよ。

 のぞみちゃんはまだならないか?』
と訊いてくる。

「あいつは、そんな繊細なものにはならない気がするが。

 まあ、それ以前に、俺と結婚すること自体に半信半疑っぽいからな……」
と言って、

『おいおい、大丈夫か?』
と笑われた。