わたしと専務のナイショの話

「いえ、二十七歳、男のめーちゃんです。

 ……いや、いいじゃないですか。

 男の人がうさぎ好きでも。

 専務も好きでしょう?

 っていうか、めーちゃん、小学校の先生なんですよ。

 学校でうさぎを飼ってるんです。

 で、学校で、うさぎがリンゴ好きと判明したらしいんですが。

 リンゴ季節じゃないから、ニンジン持ってきたんです」

「待て。
 今、ニンジンは季節なのか?」

「さあ」

「お前と話していると、脳に、なまぬる~い風が吹くよ」
という京平を無視し、ニンジンを手にして、腰をかがめると、早速うさぎが飛んできた。

 だが、すごい勢いで取られる。

「な、なかなか凶悪ですね」

「そりゃ、野生のうさぎだからな」

「でも、うさぎ、ニンジンも好きみたいでよかったです」

「まあ、好きで食べてるのかは知らないが。
 人間にだって、人によって、好き嫌いがあるんだから、うさぎにだってあるだろ。

 リンゴ嫌いで、ニンジン好きとかも居るだろうよ」
と京平は言う。