わたしと専務のナイショの話

「だが、生きて動いている方は、知れば知るほど、綺麗という単語から遠ざかって行くのは何故だろうな?

 なにかぼんやりしてるからだろうか。

 口を開けば、阿呆なことばかり言うから、見た瞬間に感じた神秘性がどんどん薄らいでいくというか……」

 もう一生、口を開くまいか、と思ったとき、京平が言ってきた。

「大丈夫だ。
 言わなかったか。

 もともとお前は俺の好みではない」

 そして、少しの間のあと、付け加える。

「……どっちかといえば、しゃべったあとの方が好みだ。
 行くぞ」

 京平は、そのまま、こちらを見ずに、軍隊の演習か、という勢いで歩き出す。

 ちょっと笑ってしまった。