わたしと専務のナイショの話

 そして、京平は崖近くの斜め先を見た。

「ほら、お前を落とそうと、うさぎが穴を掘っているぞ」

 ……なるほど、木の下にうさぎがカカカカカッと穴を掘っている。

 おしりをフリフリ掘っているさまが、なんとも言えず、愛らしい。

 いや、結構動きは素早いし、本人(?)は必死なのだろうが。

「じゃあ、落とされないうちに行きましょうか」
とのぞみが立ち上がると、京平は島の地図を見ながら、

「じゃあ、行くか、廃墟に」
と言ってくる。

「……何故、廃墟ですか」

「いや、お前も好きだろ。
 俺が行きたいところに全部廃墟があると即座にわかったし」

 うっ、とのぞみはつまった。

 確かにコンビニなどで、廃墟の本とかあると、ついつい、買ってしまう。

 何故、コンビニには、廃墟の本とか、コンビナートの夜景の本とか、仏像の本とかあるんだ。

 罠だっ、とのぞみは思っていた。