わたしと専務のナイショの話

 



「専務~。
 専務、起きてください。

 もう着きます~」

 山陽新幹線を三原で降りて、呉線に乗り換えるのだ。

 さ、触っていいだろうかな、とビクビクしながら、のぞみは京平の肩を叩いた。

「専務、起きてください~」

 だが、起きないので、焦る。

 駅に着くという二回目の放送がかかり、何処の駅のでも同じに聞こえる英語の放送がかかり、新幹線のスピードが落ちてきたからだ。

「専務ーっ」
と声を抑えながらも耳許で叫ぶと、うわっ、と京平が起きてきた。

 だが、のぞみの顔を見て、びくりとした京平は、

「……びっくりした。
 お前と結婚したのかと思った」
と言い出す。

 いや、何故ですか……。

「お前が起こすからだ」
と言いながら、まだ眠そうに、瞬きを繰り返していた。