わたしと専務のナイショの話

「結構です」
と言って、もう一度、チェックを始めると、

「……泊まりなのか」
と祐人は訊いてきた。

「日帰りですよ。
 専務はうちの父親の意見、第一の人なので」

「じゃあ、お前は泊まりたかったのか」
と突っ込まれ、のぞみはつまる。

「そ……、

 そういうわけではないですが。

 うさぎは昼間より、夕方から早朝の方が活動的なんだそうです。

 だから、まあ、実はちょっと残念ですね」
としゅんとして呟くと、祐人が、

「別々の部屋なら泊まってもいいんじゃないか。

 そうだ。
 俺がついていってやろうか」
と言い出した。

 いえ、結構です、と苦笑いして、のぞみは立ち上がる。

 領収書を手に、
「人事に行ってきまーす」
と言って、逃げ去った。