わたしと専務のナイショの話

「うさぎ島、いいぞー。
 あちこち毛玉が落ちてるみたいに、もふもふのうさぎが、これでもかってくらい居るんだよ。

 行ってみろよ。
 ああ、先生と行くのか?」

 遼ちゃん、笑顔でさらっと言わないで……。

 後ろのソファに座るお父さんの気配が怖いから。

「うん……。
 日帰りで行ってこようかなと」
と引っ込みがつかなくなって、そうバラすと、

「日帰り?
 無理だろ。

 うさぎの頭撫でて戻ってくるくらいの感じになるぞ」
と遼一郎は言い出す。

 遼ちゃん、意外にも専務と発想似てるよね……と思っていると、
「泊まってこいよ。
 あの辺、いい宿あるぞ。

 ああ、先生、部活があるのか」
とまだ遼一郎は、京平を教師だと思っているので、よくわからない話になっていく。

 それにしても、泊まってこいよ、はまずいよ、遼ちゃん、と思ったのだが。

 遼一郎はソファの方を振り返り、
「いまどき、婚前旅行は駄目とか、時代遅れなこと言わないですよねー、おじさん」
と信雄に向かって言い出した。