わたしと専務のナイショの話

「京平、ちゃんとのぞみさん、送ってあげなさいよ」

「いや、この莫迦、毎日、車で出勤してくるから、送れないんだ。
 せいぜい並走するくらいしかできん」
と外の駐車場を見ながら言う。

「あら、もしかして、あの京平の車の横にある可愛らしい車が、のぞみさんの?」

「あ、はい、そうです」

 下の駐車場に並ぶ車を見て、京平は喜んでいたが。

 こうして見ると、大きな京平の高級車の横に、ちんまり並ぶ自分の車が、なんだか家と立場の違いを表しているように見えた。

 思わず、渋い顔をしてしまい、
「どうしたの?」
と伽耶子に訊かれる。

「いや、お母さん。
 こうして並んだ車を見ると、家の格の違いが如実にわかるというか。

 私、やっぱり、京平さんのところにお嫁に行って、やってく自信がありません」

 なんでだろうな。
 お姑さんなのに。

 一度、一緒に呑んで、伽耶子のそのさっぱりとした性格がわかっているせいか。

 京平よりも、こういう話がしやすかった。