わたしと専務のナイショの話

 



「……本当は泊まりがいいんだがな。
 日程的に厳しいな。

 うさぎの頭を撫でて、去る、みたいな感じになるな。

 でも――

 それも何十年か経ったら、いい思い出になるかな」

 スマホでうさぎ島へのアクセスを調べ、メモ帳に綿密な計画を立てながら、京平が言ってくる。

 相変わらず、計画好きな人ですね。

 ところで、いつの間に、旅行先はうさぎ島に決定になったのでしょう。

 そして、いつの間に、我々は何十年も一緒に居ることになったのでしょうか?

 そう思いながら、のぞみは聞いていたが、特にツッコミはしなかった。

 めんどくさいことになるのがわかっていたからだ。

 ロータリーを回る車の明かりを見下ろしながら、

 うーん。
 このくらいなら、ゾワッと来ないなあ、などと思っていると、頬杖をついて、計画表を眺めていた京平が、
「腹減ったな。
 なにか食べに行くか?」
と言ってきた。