いつぞや祐人と座っていたカウンターに座り、窓の外を眺めながら、二人でお茶をした。
「やっと専務に奢れました」
とのぞみが笑うと、京平は視線をそらし、言ってくる。
「……お前と出会ってから、おかしなことばかりだ」
いや、なにがですか、と思うのぞみに、京平はロータリーの先を見、
「此処から、駐車場の車が見えるな」
と言ってきた。
「あ、ほんとですね」
「今、お前のピンクの車の横にとめてきたんだ。
お前の車と俺の車が並んでいるのを見て、車同士もカップルのようで可愛いなとか思ってしまったり。
二人で此処でお茶できて嬉しいなとか思ってしまったり。
この俺がそんな阿呆なことを考えるなんて、お前は魔性の女だ」
……恋とは恐ろしいものだな、と駐車場の方見ながら、京平は呟いているが、のぞみは窓に映る京平の顔の方を見ていた。
「俺は今まで恋というものをしたことがなかったらしいとお前に出会って気づいたよ。
人間が猫にはねられたり、高校生になっても、自転車は下りしか乗れない奴が居るというのも初めて知ったが……」
と余計なことを付け加えたあとで、京平は、こちらを見る。



