わたしと専務のナイショの話

「そんなことしたら、源と万美子の仲が悪くなるだろうが。
 お前なら、万美子を上手い具合いにかわせそうだが」

「すみません。
 なんにもかわせてないんですけど、今んとこ」
と言うのぞみの言葉を聞かず、それにしても、と祐人は溜息をつく。

「俺は睦子(むつこ)が好きだったはずなのに。
 何故、こんなことに……」

 えー。
 そっちはそっちで、人妻なのでやめた方がいいと思うんですが。

 っていうか、告白しといて、頭抱えるくらいなら、しないでください、とのぞみは思っていた。

 上のフロアに着き、まだ揉めながら、廊下を歩く。

 そんな二人の様子を、ちょうど専務室から出てきた京平が見ていたことに、のぞみたちは気づいてはいなかった。