わたしと専務のナイショの話

 




 だが、次の日、地下倉庫に古い台帳を取りに下りたのぞみは、また、人の気配を感じた。

 しかし、振り返ってみても、しん、とした地下に人影はない。

 気のせいかな。

 そう思い、また歩き出したが、今度は、ひたひたと後ろから足音が聞こえ始める。

 な、なになになにーっ、とのぞみは足を速めた。

 すると、背後の足音もすごい勢いで追いついてくる。

 わーっ、と思って、走りながら振り返ると、後ろに祐人が居た。

「どうした、坂下っ」

 走りながら、祐人は言ってくる。

 いや、あんたがどうしただっ、と思いながら、のぞみは倉庫の入り口を通り過ぎても走っていたが、すぐに壁に追いつめられた。

 仕方なく、のぞみは祐人に向き直り言った。

「御堂さんっ、なんで後をつけてくるんですかっ」

 すると、祐人は黙り込む。

 やがて、
「……すまない」
と二時間サスペンスの犯人のような雰囲気で罪を告白し始めた。