わたしと専務のナイショの話

「す、好きなのかもしれませんねっ、はいっ」

「誰が?
 秘書の吉川? 同期の森村?」
と万美子は、ぼちぼのイケメンの名を挙げてくるが。

「……専務です」

「え? 誰?」

「専務です」

「……気は確か?」

 いや、私が専務を好きではいけませんか?

 釣り合っていないと言うのですか。

 でも、専務は私と雪山に行って、マンモスを倒したい言ってますよ、と思いながら、

「私が好きなのは専務なんです。
 実はその、入社前からの知り合いで……」

 えーっ、と万美子が声を上げるので、慌てて口を塞ごうとしたが、その前に止めてくれた。

「なにそれっ。
 まさか付き合ってるとか?」

 まさか付き合ってるんですかね?

 自分でもまだ、いまいち、専務と居るこの状況に馴染めていないのですが、と思いながら、のぞみが答えないでいると、肯定ととったのか、万美子は、

「じゃあ、専務があんたをこの会社に入れたとか?」
と訊いてくる。

「なんでですか……」