専務用秘書室に行って、祐人と二人きりになっても、祐人はなにやら、急ぎでチェックする原稿があるようで、そっちにかかりきりになっていて、なにも言わない。
よしよし、忘れてるんだな、とホッとしたとき、ガチャリと専務室側の戸が開いた。
「御堂、さっきの原稿だが」
と入ってきた京平が、うわっ、と声を上げる。
祐人の後ろの棚にそびえる大きな金色の円柱の箱を見たようだ。
赤いリボンまで巻いてある。
「なんだ、それはっ」
祐人がパソコンから顔を上げ、
「昨日のボウリング大会三位の景品です。
チョコですよ、おひとついかがですか?」
と言う。
「いやいい。
男からチョコもらう趣味はないから」
と京平が言ったときには、祐人は、すでに箱から一本出していた。
中の長いチョコ棒も金色の紙でラッピングされている。
高級感を出したいのだろうか。



