「ああ、世の中、上手くいかないな。
今まで人生、順風満帆で、仕事も出来て、モテモテだったのに。
なんで、俺はあんな、えへ、な小娘が好きなんだ」
その頃、京平は昔よく行っていたホテルのバーで樫山に愚痴っていた。
「……元生徒だったのか、犯罪だぞ」
と樫山が夜景を見ながら言ってくる。
「あー、ぞわぞわするな、この夜景見てると」
と一緒に見ながら京平が言うと、
「でも、お前、昔から、よくそっち向いて座ってるよな。
マゾなのか?」
と樫山が訊いてきた。
「いや、苦手を克服しようと思って」
と京平が言うと、
「その子のことも、自分に気がないから、なんとかしたいだけなんじゃないのか?
彼女が振り向いたら、興味なくならないか? 大丈夫か?」
と樫山がからかうように言ってくる。
のぞみが俺を振り向いたら……。



